■現代医学的鍼灸の利点
・現代医学の知識と診断法により、障害部位、病態、重症度が明確になる。
・鍼灸の摘・不適、経過・予後が推定可能になる。
■現代医学的鍼灸の認識
・鍼灸は、自然治癒力を蘇らせる治療法という認識。
■治療部位の決定4法則
①障害部位または近傍
・筋緊張が原因の場合によく用いる。
・原因筋の経穴・圧痛部・硬結部に治療
※急性炎症ではその部位施術は避ける。
②障害と関連する神経や血管
・血管・神経分布を考慮し、循環改善・神経痛緩和を目的。
③障害部位と関連する体表
・内臓疾患の場合、同じ神経分布の皮膚に対して反射療法を行う。
④経験に基づく。
・消化器疾患に足三里など、理由ではなく昔からの経験を利用する。
■治療計画方法
医療面接
↓
検査(身体診察)
↓
原因の推定
↓
治療方法の決定
※頭痛:頭蓋骨内の問題か、機能的頭痛か。
■適応判断と医療施設の連携を重視
・適不適の判断が重要。不適の可能性がある場合はすぐに医療機関へ紹介する。
・重篤疾患に、いたずらに鍼灸治療をチャレンジして患者の治療タイミングを奪わない。
手遅れになる可能性あり。
■医療機関との連携
・医療機関への紹介は、紹介理由、問題点を明記した紹介状をつける。
・医療機関との連携は、鍼灸治療目的・役割を明確にする。
患者治癒に対して、鍼灸治療がベストではない場合は医療機関へ。
例:鍼灸治療目的○:疼痛緩和。生活動作改善。
鍼灸治療目的✖:ガン根治。リウマチの根本治療。
■経過・予後の推定
・治療期間(クール)の設定
・生活指導の治療計画
・経過により、患者にとって最善が医療施設と判断する事を恐れない。
■治療について
・鍼灸治療は患者とのコミュニケーション、信頼関係が重要な要素である。
慢性疾患では、心理面・社会的因子が隠れている場合が多い。
・鍼灸治療は信頼関係があって効果が発揮されやすい。
・症状により、日常生活の指導・援助を行う。(ここまで考えて治療といえる)
■効果の評価の重要性
・治療直後または一定期間後
・自覚症状の変化
・生活指導を守っているかの評価
・病態・治療法の改善を行う。