子どもの精神症状は脳MRI画像で予測できる可能性

■子どもの精神症状は脳MRI画像で予測できる可能性
米ノースイースタン大学心理学教授で同大学バイオメディカルイメージングセンターのディレクターを務めるSusan Whitfield-Gabrieli氏
 
 子どもがうつ病などの気分障害や注意障害を発症するリスクが高いかどうかを、症状が現れる前に判断するのは難しいのが現状だ。
しかし、脳MRI画像を用いれば、これらのリスクが高い子どもを早期に発見できる可能性があることが、米ノースイースタン大学心理学教授で同大学バイオメディカルイメージングセンターのディレクターを務めるSusan Whitfield-Gabrieli氏らの研究から明らかになった。
 
 今回の研究を行った背景について、Whitfield-Gabrieli氏は「ティーンエージャーの間で不安障害やうつ病が蔓延する中、気分障害や注意障害の発症を早期の段階で予測するマーカーの必要性を感じていた」と説明している。
 
 この研究は、94人の小児(男児53人、女児41人)を対象としたもの。研究開始時には7歳だった対象児を4年間追跡。このうち77人(82%)には精神的な健康面で問題は見られず、残る17人(18%)には読字障害のリスクがあった。対象児には7歳の時点と11歳の時点で機能的MRI(fMRI)を用いた脳画像検査を実施し、脳の状態の変化を比較した。
 
 その結果、7歳の時点で撮影した安静時の脳MRI画像から、下顎前帯状皮質(sgACC)と左前頭前野領域(DLPFC)の機能的結合が弱いことは、11歳までのうつ病や不安障害の予測に役立つことが分かった。一方、内側前頭前野(MPFC)とDLPFCの機能的結合が弱いと、注意障害を発症する可能性は低いことも示されたという。
 
 Whitfield-Gabrieli氏は「この研究の臨床的な意義は大きいと考えられる。このようなバイオマーカーを用いて、幼少期のうちに精神的な問題を起こすリスクが高い子どもを見つけられれば、運動やマインドフルネス、認知行動療法(CBT)などの介入が早期に行えるようになる。そうすれば、症状の軽減や精神疾患の進行を防げられるかもしれない」と説明している。
 
 ただし、Whitfield-Gabrieli氏は、今回の研究はまだ初期段階のものに過ぎないと強調。「将来的には、脳画像検査は精神的な問題のスクリーニングに役立つようになるかもしれないが、現時点ではツールとしての位置付けは確立していない」と付け加えている。
 
 この研究に関与していない、米ザッカーヒルサイド病院児童青年精神医学部門のVictor Fornari氏は「精神医学領域では、バイオマーカーの確立は依然として有望な研究分野だ」と指摘。「今回の研究結果は、精神的な脆弱性を、精神症状が現れる前の段階で可視化したり、測定したりできることを示したものだ」と評価している。
 
 Whitfield-Gabrieli氏は今後、対象を乳幼児に広めて研究を進めたいとしている。また、さらなる研究により、脳画像検査でうつ病や注意欠如・多動症(ADHD)などの疾患リスクが予測できるようになれば、CBTやマインドフルネスなどによる介入の効果が期待できるとし、「これらの介入には副作用がほとんどないというメリットもある」と話している。
 
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